【BACK FROM THE GRAVE】

(奴らを墓から叩き起こせ!マイ・フェイバリット!)


005【私的バカ映画10選】


どうしても底辺に目が行くのである。なんでもそう。音楽ジャンルでもガレージ・パンクなんてものにずっと夢中になっている。最近出た「悪魔のティーンエイジブルース」という本はガレージマニアにはたまらないです。キングジョー最高。誰も分からない話題はいいとして、まだ記憶に新しいのが新大久保駅ホームの転落事故。ホームに落ちた人を助けようとした韓国人青年とカメラマンが一緒に轢かれて死んでしまったけれど、二人は国民的な英雄になった。でも俺が気になるのは事故の原因となった最初にホームに落ちた人の方。恐らく酔っ払った会社員だと思うんだけど。遺族も悲しいやら情けないやらでかなり肩身のせまい思いをしたに違いない。「死ぬんなら他人まきぞえにしたらあかんがな!」と全国民が関西人と化しての容赦ないツッコミ電波をびしばし感じたのではないか。きっと彼は大いなるマヌケ力に翻弄され人生の最期を強引に迎えさせられてしまったんだろう。 映画は総合芸術だというが、「総合マヌケ芸術」の集大成と呼べるであろう作品が以下に挙げる10本。この前の「あこがれの女子」は少ーし恥ずかしかったんですが、今回は得意ジャンルなんでエンジンフルスロットルでいきますよ!免許ないけど!バロムロッドでブロロロロ!ぶっとばすんだビュンビュンビュン!思わずバロムワンの主題歌を口ずさんでしまったが、このネタに関してはストック多数&探求中であるので、猿の惑星のように続・続々と続く予定であります。愛すべき「だめだこりゃ」に出会いたくて一生レンタルビデオ屋や本屋やCDショップをうろついている俺。バカはクール!バカはキュート!バカはビューチホー!

[ミミズバーガー]

もうこれは最低。これ以下はない。ドブさらいの底の底。森林開発推進派と地主の農夫が対立。わしの土地を破壊する奴は許しちゃおけねえ!ほんだらば食い物にミミズを混ぜて皆殺しの無差別テロだっぺ!(えあ?)と町の人間に謀反を企てる。何と言っても役者が凄い。パスタ、サンドイッチ、ハンバーガーなどからミミズがにょろにょろとはみ出た状態になっているものを豪快に食う!食う!!喰う!!ミミズの存在などまるで無いかのように「なんてうまいんだ!」とかぶりつく。何でそこまでするか?卵月ウンゲロミミズ妙子もびっくりだ!赤潮に乗ってやってきたミミズ人間も登場。といっても上半身裸で下半身ミミズ(寝袋のようなものをはいてるだけ)というどうしょうもなさ。こいつらが生意気にも「俺たちにも女が欲しい」などとぬかすので、よそ者のおねえちゃんにミミズを食わせて雌のミミズ人間にしてさしあげたりする。主人公の農夫もミミズ人間に無理矢理ミミズを食わされて自分もミミズ人間にされてしまい車にはねられてチョン、というシャブ中の小学生の白昼夢みたいな話。まあ自然は敬わねばいかんというテーマは「もののけ姫」と通じるかも。

[ゴア・ゴア・ガールズ]

スプラッタのゴッドファーザー、ハーシェル・ゴードン・ルイス!日本版で出ている彼の作品をすべて見ているボンクラはこの俺様!この人の映画はどれもこれも本当にひどいが、特に殺しのえげつなさにおいてこのタイトルはダントツ。一応ストリッパー連続殺人事件というストーリーなのだが、この殺し方がすごすぎて笑っちゃう。殺された瞬間にフーセンガムを膨らませていた女のガムが中から血で赤く染まる(ぷっ)。乳首をチョン切ると白い母乳がぴゅっと出る(わはは)。「死ぬほど」お尻を引っぱたいたあとに何故か塩をふりかける。顔への攻撃も頭蓋骨の存在なんか無視してぐっちょんぐっちょん(マグロのたたきみたいだなあ)。あと見所としてはストリップのシーンがふんだんにあります。これがいいんだ、ゆるくて。エロとグロの2本立てというわけで、その興行精神はあまりにも正しいぞ!オチをばらしてしまうと(いいじゃん別に)やけどして顔にケロイドを負った元ストリッパーが嫉妬心ゆえの犯行という事を主人公の探偵に暴かれてしまい、外に飛び出した途端、車にべちゃっとつぶされてチョン。途中ストリップ・バーで果物をひたすらつぶしているだけのベトナム帰りの男が出てきて(何の仕事をやってるんだ?)、こいつが犯人じゃないかと「誰でも」思うんですが「そうじゃないもんねオラオラオラ」と見事などんでん返しをつけたつもりなんだと思う。本人は。

[ワイルド・ゼロ]

黄色いサルの国が生んだ狼野郎、ギターウルフ主演のロケンロー・ジェット・ホラー・ムービー!ウルフ・フリークのリーゼント小僧が危機に陥った!ホレたスケ(実は男)と一緒に見知らぬ町で大量発生したゾンビに襲われているのだ!たすけてウルフ!「ルオッケンルォオオオ!!」と三匹がかけつける!それからがもう大変だ!ギターのヘッドからビームは出すわネックに仕込んだ日本刀でUFOをぶったぎるはの大活躍!三匹が斬る(ゾンビを)!謎の女バイカーも登場!そりゃもう「マシンガン・ギター」なんて曲をやっているくらいだから彼らに不可能はない!あたりまえだ!この映画に関してはウルフの存在同様、批評するな!評論するな!考えるな!感じろ!

[デスレース2000]

製作・監督は低予算映画の帝王、ロジャー・コーマン!この人のつくる映画がまともなわけがないが、特にこれはすごい。西暦2000年には轢き殺した人間の数を競い合う全米横断殺人レースにアメリカ中が熱狂しているという設定。一番人気に奇跡の生還者、ミスター・フランケンシュタイン!二番手には何だか長島一茂にそっくりなシルベスター・スタローン!フランケンにムキになって闘志を燃やす頭悪い役どころがピッタリ。本当はボクが一番なんだい。がおう。こいつらがバカ丸出しデザインのレーシングカーに乗って殺す殺す殺す!チキチキマシン大虐殺!ガキと老人は高ポイントだ(さすがにそういうシーンはないけど)。とってつけたようなハッピーエンドも素晴らしいB級映画の鏡。とりあえず本国ではR指定のようですが、全体的にマヌケな展開だし残酷描写も大したことないので、お子様にも安心して鑑賞できます。イイ大人になると思います。先日の鳴り物入りの喧嘩(でいり)では何やら偉そうに一発ぶっていたが、そんなものは犬にでも食わせろ!これが「本当の」アメリカだ!

[殺しの烙印]

鈴木清順の名作カルト映画、ということでここのところ特に大人気のようだが、主演の宍戸錠演じる殺し屋が「たきたてごはんフェチ」で「このにおいがたまらねえんだ」と炊飯器に顔をつっこむシーンを何度も観るにつけひとつの疑問が頭にわいてくる。「これってバカ映画?」。たしかにスタイリッシュなんだけど随所でマヌケが顔を出す。宍戸錠を殺すためにやってきた男は「フェアにいこう」ということで二人は手錠をはめて行動を共にする。小用を足すときもそのままする。じょんじょろりーん。眠るときも目を開けたままイビキをかいて寝る。馬鹿。「男前の〜殺し屋は〜香水のにおいがした〜」と哀愁のマヌケ美を漂わせた主題歌も秀逸。

[地獄]

これはいわくつきなのでビデオにはなっていません。というか今後もビデオ化は難しい。なぜならまだ生きている犯罪者(松本知津夫や宮崎勤)が早々に地獄に落ちて制裁を受ける、という話だから。監督は天才バカボンド・石井輝男。とりあえず素人目に見ても制作費がないんだなあと分かる作りで、一緒に見に行った女子は「地獄の鬼の腕にBCGの跡がある」と言っておりました(何を見てんだかなあこの人も)。ビンテージ肉体派女優前田通子演じる閻魔大王もなかなかよかったがもっとイっちゃってたのが唐突に登場するタンバカ哲郎。「ポルノ時代劇・忘八武士道」という石井監督の狂った名作がありまして、そこからキャラをレンタルしてしまいました。やりたい放題。「カントリー娘に石川梨華」みたいなもんですか。とにかく無頼のサムライであるところの丹波が地獄の鬼をバッサバッサと斬りまくる。あ、バカ!もうバカ!江戸川乱歩の原作をいじりまくって完全にオリジナルに仕上げてしまった「恐怖奇形人間」(これもみんな死ぬまでには見てね)とは違ってこちらは実にストレートである。なにしろ悪い事をしたら地獄に落ちてひどい目にあうんだよ、というのがメッセージなのであるからして。特撮もレッドスネイクカモーン状態がバレバレだったりしてほほえましい。おれこんなの好き。この作品は配給先がビビって手を引いてしまったので劇場が見つからず、結局上野のポルノ映画館とかで封切りされたんだけど、それはちょっとちがうと思う。小・中学校の行事として「体育館」で上映されるべきだ。
  

[HOUSE ハウス]

日本最強のバッド・トリップ・ムービー。これ好きな人は絶対エルとかクサとかやってます。登場人物の女の子がそれぞれ「オシャレ」「ファンタ」「メロディ」「マック」などのニックネームで呼び合うところからもう、困る。からだがかゆい。もじもじ。彼女たちが「オシャレ」の親戚のおばさまの家に遊びに行き、みんなハウスに喰われちゃうという話なんですけど。もちろん食いしん坊の「マック」は一番最初に喰われます。特にピアノに喰われる女子のシーンは日本特撮史上に残るバカバカしさ。日本最強の困ったちゃん監督・大林宣彦の商業デビュウ作。気合と困ったちゃんセンスが大爆発。これに比べれば「鉄男」なんか全然マトモです。だってついていけるもの。アメリカのバイカームービーが東映というフィルターを通したら「不良番長」という化学反応が起きてしまったように、「トリップ・ムービー」と「家ホラー」が大林さんのフィルターを通ったらこんな事になってしまったようです。困ったもんです。もじもじ。

[キラー・コンドーム]

もしコンドームに意思があって、装着する部分から歯が飛び出して噛付かれたらどうなるか。てぃんこ食いちぎられますね。ギョェー!!というシャブ中の高校生の白昼夢のような(少し成長)話。そのキラーコンドームによって片キンを食いちぎられた刑事が復讐に立ち上がる(あはあはあは)。ドイツ製の映画らしく独特の重いムードもバカ度合いを上げている気がしないでもない。最後に現れる巨大な親分キラーコンドームの中身は日本のリモコン・モスラで操縦してたらしいですぜ。ここだけの話。

[多羅尾伴内]

アキラといえば渡り鳥シリーズはもちろんのこと、それを上回るさらにゴキゲンな作品があった!ある時はなんたらかんたらでお馴染みの「多羅尾伴内」だ!特に「手品好きの紳士」に扮している時とクラブ歌手として「昔の名前で出ています」をフルコーラスで歌っているシーンのアキラは最高になごむ!いやし系!ラストのせむしの怪人から白スーツを着た紳士の正体をパーティー会場で現すシーンも最高。これに匹敵するのはゴジラの皮がはがれて出現するメカゴジラぐらいだな!ちなみに多羅尾伴内というヨボヨボの老人探偵も変装のひとつなんだぜ。びっくりしたあ。この時点でのアキラのズンドコぶりは筆舌に尽くしがたくすばらしい。ズン、ズン、ズンドコ、ア・キ・ラ!

[ナチュラル・ボーン・キラーズ]

大作主義オリバー・ストーンが何をとちくるったのか、他の作品と同じように金を湯水のように使って撮ったナチュラル・ボンクラ映画。そこかしこにダサいMTV感覚が満載。タランティーノが手を引いたのもよく分かる。あとになってよーく考えると「ああこれはボニー&クライドのオマージュだったのか」とようやっと気付く。それくらい散らかっている。お部屋はきちんと片づけなさいっ。じつはこれ、途中で寝ちゃってそのまま返却してしまいました。はは。

【BACK FROM THE GRAVE】目次に戻る

【古本すうさい堂電脳部門】目次に戻る

【古本すうさい堂電脳部門】トップページに戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送